しましまな日々

12ステップを通じた問題からの回復について

ミーティングで「このメッセージ」を伝えることで、生活が愛に満ち溢れる

今週で霊的に目覚めてちょうど半年、6ヶ月が経ちました。霊的目覚めを得た日のことは、はっきりと思い出されます。言葉にするならば「私は被害者ではなく、問題の当事者なのだ」「これから人生は変わるんだ」と心から納得したということです。それから得られた霊的目覚めを失わず、さらに成長を続けていくために、毎日、約180日間、ステップ10、11、12に今日一日だけ全力で取り組んできました。

その結果、見えてきたものがあります。それは、霊的目覚めで与えられた恵みは与えられっぱなしではなく、ステップ12で他の人や社会への循環のサイクルに入るということです。

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特別な贈り物を受け取る

ステップ1から11までで、私たちは常になにかが与えられます。絶望、希望、事実、真実、愛、慰め、平安、、、それらを言葉にすると尽きることはないでしょう。では、与えられたものは与えられっぱなしなのでしょうか?そのようなことはないと私は考えています。何ものも、「自分だけが」と握り締めているとなくなってしまうものです。

与えられたものには、出口があります。その出口が「このメッセージを伝え」ること。つまり、ステップ12の行動の一つです。

特別な贈り物を手渡す

ステップ12を説明する時、私は「このステップは1つの事実と2つの行動があるステップです」と説明しています。

1つの事実とは「これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め」た、という事実です。この事実を土台として「自分たちがいつもどんなふうだったか、そして何が起こって、いまどうなっているのか、これからどうなっていきたいのか」という経験と力と希望の分かち合いができるようになってくると私は感じています。
12ステップを徹底して実行する中で、私たちは自分なりに理解した神と出会い、それぞれがビッグブックに書いてある霊的体験・霊的目覚めを経験します。それはこのプログラムの「偉大な事実」です。

2つの行動の1つ目は「このメッセージをアルコホーリクに伝え」です。これはAAメンバーならば、ビッグブック第7章に詳述されるように、いまだに強迫観念と渇望現象で人生がどうにもならなくなり続けている人に「解決はある」ことを生き証人として伝えさせていただき、私たちがソブラエティを豊かにしていくことだと思います。各12ステップグループでのメッセージ活動、ミーティングでの分かち合い、スポンサーシップなどがこれにあたるでしょう。

2つの行動の2つ目は「私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力」することです。私たちの人生の領域には様々な問題があります。ビッグブックでフレッドはこう語りました。

「この霊的な原理は、アルコールのことだけでなく、ほかの問題の解決にもとても役に立つことがわかりました。いまの私は、前の生き方よりもずうっと充実していて、人の役に立つ生き方ができるようになったと言えると思います」

つまり人生の他の課題にも、この霊的な原理を使うこと、私の場合ならば、アルコホリズムから回復した後にAC、共依存の問題に12ステップを使って取り組み始めたことを指します。

ステップ12は循環のサイクル

さて、与えられた恵みをいかにステップ12で循環のサイクルに差し出すか、ですが、これはミーティングをメッセージ活動とさせていただけばいいのです。私たちが回復した姿を見せること、その経験と力と希望を分かち合うことは、いまだ解決を得ていない方々へのメッセージとなると思います。いつまでも毒吐きや自己憐憫の話をしているわけにいかない理由はここにあります。このメッセージを届けることは、他者のためではなく私たちのソブラエティをさらに成長させていく手段です。それなしには、スリップは足下まで迫ってくるのです。

ここで共依存症の人が陥りやすいことを一つ書きます。それは「自分の回復はメッセージにあり、相手が自分のメッセージを受けて変わってくれないと自分は回復していない」という相手を「自分の回復の尺度」に利用する利己的極まりない思い込みです笑 相手が私たちのメッセージをどうするかは相手の自由であり、そこに踏み込む権利は私たちには一切ありません。そこに踏み込めば「共依存症行動発動!スリップ確定!」となるでしょう笑 問題の当事者は相手ではなく、いつも自分(私)なのです。

どのように効果があるのか

私たちはステップに徹底して取り組み、霊的に目覚め人生が変わりました。自分に正直になるなら、そのことを分かち合うべきだと私は思っています。

12ステップに取り組む理由は霊的目覚めを得るためです。そして、霊的に目覚めた直接の結果として、自分を超えた偉大な力が私たちを回復させてくれるのです。なので、霊的に目覚めたのならば、分かち合いのベースはその人生の歴史になるでしょう。ジョー・マキューが言うように、霊的に目覚めたら自然とその素晴らしさを人に伝えたくなるものです。その自然さが大切だと思っています。

その内容については、それぞれの物語があり、それぞれの感情の歴史があるので、ここでステレオタイプを作ることは無意味だと思います。ですが、自分に正直な「自分たちがいつもどんなふうだったか、そして何が起こって、いまどうなっているのか、これからどうなっていきたいのか」という経験の分かち合いは力と希望を分かち合うことにもなります。それはステップや霊的成長とは関係のない、毒吐きや愚痴や自分を憐む話などとは比べ物にならないものです。

そのミーティングにおける「このメッセージを伝える」活動の取り組みをこの1ヶ月間、私はできうる全力でやらせていただきました。そして発見したことがあります。それは「生活が愛で満ち溢れる」体験です。「与えられるより与える方が素晴らしい」という12ステップグループの逆説は真実です。与えることは、スポンサーシップやシェアリングパートナーシップ以外でも取り組めることです。私たちはそれぞれ自分がいる場所から、できることをやっていきたいものです。

祝福がさらに豊かに私たちにありますように