しましまな日々

12ステップを通じた問題からの回復について

日々の棚卸しは感情の酔っ払いと二日酔いを醒ます強力な霊的道具

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「恐れ、自己ぎまん、身勝手、自己憐憫、さまざまなかたちのそうした感情に駆り立てられて、私たちは人の足を踏みつける。相手も踏み返す。」『アルコホーリクス ・アノニマス

 

さて、今日は「感情の酔っ払い」「感情の二日酔い」について書かせていただきます。AAメンバーの方なら、この言葉を聞いたことがあり、イメージも持ちやすいかもしれません。

まずは、言葉の内容を見ていきましょう。

 

 

「感情の酔っ払い」

これは僕の例で書きますと「自分は傷つけられた!それは相手が全て悪い!」と確信して恨みに取り憑かれているときです。もしくは「なんて自分はダメなんだ、もうこれからもずっとダメに違いない」と恐れと後悔と罪悪感の泥沼にのんびりと浸かっているときです。

どうでしょう、そういう心当たりはないでしょうか?僕にはたくさんあります笑

「感情の二日酔い」

心の健康な状態で苛立ちなどの不快感情を感じると、相手と話し合う、周囲に相談するなどの方法で適切に対処するものです。そして、怒りや恐れの不快感情をそのままにすることを避けます。一方、感情の二日酔いは不快感情に対して何もせずに放置し、その不快感情は寝ても覚めてもなくならないのが特徴です。前述の感情の酔っ払い状態が次の日も、その次の日も、もしくは忘れたと思っても(大体感情の奥底に無理やり押し込めるという否認・不正直を使っているだけです)、再び以前の恨み、恐れ、罪悪感、後悔が以前と同じか、さらに強く戻ってきます。どうでしょう、心あたりはないでしょうか?僕は数え切れないほどあります笑

では、どういうことになるのか?

このような不快感情の酔っ払い状態、二日酔い状態は「狂気」と呼ばれるものです。そして何が起きるのでしょうか?その酔っ払い状態はとどのつまり「自分のこと(不快感情)だけに一生懸命になっている状態」そのものです。なぜなら、その狂気の状態で自分自身や周囲に対して適切な配慮と関心が持てるはずはないからです。「いや、自分は周りのことも考えている!」と言う人(僕の古いパターンですが)はこう自分に問うてみるといいでしょう。「あなたはその不快感情(恨み、恐れ、罪悪感、後悔)を持ち続けることで自分や他者を幸せにできましたか?」、僕の場合の答えは「いいえ、まったくできなかった」です。

 

では、どうすればいいのか?

では、どうすればそのような酔っ払い状態を避けられるのでしょう?僕の回答は「避けることなんてできない」という回答です。なんか、酷い回答かもしれません笑。ですが、同時にこうも言えます。「感情が反応することは避けられないが、酔っ払い状態から醒めることはできる!」です。これが「変えられないものと変えられるもの」になります。

「反応することがダメなんだから、反応しなければいいのだ」とおっしゃる方もおられると思います。それもまた事実ですが、条件付きです。それは恨みや恐れ、罪悪感や後悔を嗜癖として使っていない人ならそれができるということです。それらの感情を嗜癖となるまで使い続け、不快感情に対する強迫観念を持ってしまった人は、不快感情の反射的反応に無力となります(僕のことでもあります)。そうなってしまったら、反応してしまうのは仕方がないので、どうすればすぐ「正気(シラフ)に戻れるのか?」を問うしかないのではないでしょうか?

では、その方法とはなんでしょうか。それはスポットチェックと呼ばれる「日々の棚卸し(ステップ10)」を、不快感情が暴走したと感じた時にすぐに行うことです。

 

スポットチェックで正気に戻った実例

ある時、複数人で話しているときに1人の方が僕とは全く違う意見を言われました。その意見に対して僕は強い不快感を感じましたが、その時は特に何も言いませんでした。しかし、後から猛烈な恨みの感情が湧いてきました。「あの人は間違っている!あの人は私を不当に傷つけたのだ!」というものです。ですが、その恨みの感情はとても苦しいものなので「いや、僕が間違っているはずはないけれどスポットチェックをやってみてやるか」と凄まじい上から目線で日々の棚卸しをしました(恥ずかしいね笑)。

 

そこで明らかになったのは、僕は「僕はその意見は違うと思います、なぜならこういう理由だからです」と穏やかにはっきり言いたかったのですが、複数名の前で自分の正直な意見を言うことを恐れて(恐れ)その意見と感情を否認し押し込め(不正直)たということです。その結果、正直な自分は自分自身に「お前は自分の意見も言えないダメなやつだ!」という判断をくだし、自分の恐れと不正直さで共存本能(自尊心)を猛烈に傷つけ、結果として自分に対する恨みが暴走しました。しかし、自分に対する恨みの不快感情があまりに辛いので人を逆恨みしてその不快感情から目をそらそうと必死に努力したというのが真相です。

これがわかった時、僕は心からその逆恨みが馬鹿らしくなり、逆恨みは消滅しました。そして、神から癒しを受け取り、自分と向き合い、相手に対して適切な配慮を持って正直な意見を伝えるにはどうすればいいかを考え始めたのでした。この時、スポットチェックで感情の酔っ払いから覚めなかったら、僕は次の機会などで逆恨みからその人の足を思いっきり踏みつけていたかもしれません。

 

ステップ10、11、12は毎日行うステップ!

日々の棚卸し、祈りと黙想、このメッセージを伝えることと自分のすべてに12ステップの原理を実行する努力を続けることは、12ステップで得られた霊的目覚めを維持し、深め、実行し続ける唯一の手段です。逆を言えば、ステップ10、11、12を一生涯続けることができるようにステップ1〜9があると言っても過言ではないと僕は思っています。このプログラムの豊かな恵みは尽きることがありません(僕の場合は今現在もそうです)。霊的完成ではなく、霊的成長を共に歩んでいければと思います!