しましまな日々

12ステップを通じた問題からの回復について

スポンサーシップについて

近頃、急に忙しくなりブログ記事を書く時間が取れない日々が続いています。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

現在私は、2人のスポンシーが与えられて週2日ほどのペースでスポンシーとステップワークを行っています。そんな日々の中から、感じたこと、行動できたことを簡単に書きたいと思います。

 

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12ステップを「独りだけでやる」というのは不可能

12ステップを「独りだけでやる」というのは不可能です。

スポンサーを持たずにビッグブックを頼りにステップワークを進めるにしても、ステップ5では「もう一人の人」と、ステップ6、7でも「社会の人々」と、ステップ9でも「かつて傷つけた人々」と、ステップ12では「もう一人のアルコホーリクと共同体」と、そしてステップ全てにわたって「自分なりに理解した神」とステップワークをする必要があります。なので、12ステップは「独りだけ」でできるものではありません。それは不可能です。

 

また、ビッグブックは周囲にAAメンバーやAA共同体がない人のために書かれた霊的体験・霊的目覚めを得るための12ステップの教科書ですが、だからといって現代においてスポンサーやミーティングなしで一人でステップワークができるかは、私個人の意見としては甚だ疑問です。

「どうしても回復したい、解決を手にしたい、霊的体験・目覚めを得たい、しかしAAがない、AAメンバーがいない!」という状況にある、死に物狂いの意欲を持つ約80年前のアルコホーリクならば、ビッグブックを導きの糸にしてプログラムに取り組み解決を得たでしょう。しかし、現在でそこまでの「死に物狂いの意欲」を持っていたら多少遠くても・オンラインでもミーティングに出席するでしょうし、ホームグループを持ち、また経験者にスポンサーをお願いするでしょう。オンラインでスポンサーを務めているメンバーもたくさんいるのですから。

そっちのほうが、一人でこんがらがるよりずっとシンプルだし(だいたい一人でやるとこんがらがるケースが非常に・とても・すごく多い気がします笑)、回復の可能性も上がります。

なので、現代においてビッグブックだけを頼りに、スポンサーや共同体なしでプログラムに取り組むことは原理的には可能だが現実的ではないと私は思っています。現実的ではない、ということは、回復の可能性はとても下がるということです。

 

「人に頭を下げたくないから、スポンサーを持つのが嫌だ」「人と関わりたくないからスポンサーを持ちたくない」といったような動機から「一人だけでやる」となると、いい結果にはならないと思います。そういった動機で「解決」を得た人を、私は12ステップ共同体の中では今のところ一人も知りません。

「自分が助かりたかったら、他の人を助けよ」

12ステップにせよ、12ステップ共同体にせよ「自分が助かりたかったら他の人を助けよ」というのは基本原理のひとつです。

JSOの所長をされた故・山本幸枝さんが「あなたはAAを必要としているかもしれないけど、AAはあなたを必要としていない。あなたがいようといまいと、AAは今も苦しむアルコホーリクにメッセージを届けようとする共同体でありつづける」と講演で仰っていたのを録音で聴きました。

私はこの言葉がとても好きで、私がこの地上からいなくなったあともAAはアルコホーリクにメッセージを運び続けてほしいし、そうでなければならないと思います。「自分が助かりたかったら、他の人を助けよ」「各個人よりも原理を」ということです。

 

また、12の伝統の伝統5では「各グループの本来の目的はただ一つ、いま苦しんでいるアルコホーリクにメッセージを運ぶことである」と明記されています。

これも「かつて絶望的だった私たちは12ステップを実践することによって霊的体験・霊的目覚めを得て、その結果、神が私たちを回復させてくれたのだ」というメッセージを届けるという「他者を助ける」という原理です。私たちはそのメッセージの生き証人です。

この「他者を助ける」という原理を外して、内輪だけの集まりに終始したり、「霊的体験・霊的目覚め」という解決を伝える事を疎かにしたとき、個人の回復も疎かになるのでしょう。死んでいる信仰とはこのことです。

12ステップで解決を得たのなら、それを伝えていかなければなりません。もし、霊的体験・霊的目覚めを得た人が、共同体と共に「今も苦しむ他の人」の手助けをしないのならば、その霊的体験・霊的目覚めは回復をもたらすに十分に効果的なものではないのだと私は思います。

ビギナーはどうすればいいか

まだ霊的体験・霊的目覚めを得ていないビギナーからすると「私たちはまだメッセージを運べない。だから私たちは他の人の手助けができないのか?回復できないのか?」となると思います。そんなことは決してありません。ビギナーだからこそ、他の人の手助けをする素晴らしいチャンスがあります。それは誰かのスポンシーになることです。つまり、スポンサーを頼むことです。

スポンサーをやっているメンバーが異口同音に言うことがあります。それは「スポンサーの側が学ばさせてもらっている、助けられている」ということです。なので、ビギナーがスポンサーをお願いすることは、実はスポンサーを手助けしているのです。これは私の経験からも確かなことです。

 

もちろん、スポンサーとステップワークをするならば小言も頂戴するでしょうし、厳しいことを言われることもあると思います。ですが、そんな時でもスポンシーはそのスポンサーを確実に助けています。「自分が助かりたければ、誰かを助けよ」に従うならば、ビギナーはスポンサーシップを得て、スポンサーを助ける必要があるでしょう。

なので、スポンサーがいないのであれば、早くスポンサーを見つけてステップワークを始めること。また、スポンサー側はスポンシーを見つけてプログラムを手渡す努力を続けること、手渡すスキルを磨き続けること。こういったことが共同体の生命の中心部分なのだと私は思います。これらに、私たちの生命も、共同体の生命もかかっています。

 

そしてビギナーは、次には自分が誰かのスポンサーになるのです。そのためにも、12ステップにしっかり取り組み、霊的体験・霊的目覚めを得なければなりません。溺れている人に溺れている人の手助けはできません。同様に、共同体において誰かを助けられる人は神と他者に助けられている人です。私たちはいつまでもビギナーでいられるわけではないのです。

意欲と正直さと開かれた心を全力で持つならば、スポンサーを得る勇気と機会は、神がきっと与えてくださるでしょう。

 

いつ12ステップに取り組めばいいのか

私のスポンサーがOSMでスピーカーをしたとき、会場からの質問で「12ステップにはいつになったら取り組めばいいですか?」という質問を受けていました。彼は「今この瞬間からです」と即答していました。私もそう思います。

ステップに取り組み始めるタイミングは、今生きているここからです。スポンサーを得て、素晴らしい冒険である回復の道を歩んでいっていただければと心から思います。

そして私自身も、スポンサー・スポンシーとのステップワークを通してさらに成長できればと心から願っています。

 

「あなたに次のもう一杯を手に入れるために費やした熱意の半分もあれば、それは決して失敗することはない。」 Dr.Bob